top of page
脳腫瘍と高次脳機能のためのBlog
脳の疾患の診療のあいまに、感じたことを少しずつ書き留めていきます
これまでに訪れた場所の写真とともに、
ちなみに写真が好きです
風景の写真を織り交ぜながら、つれづれにアップしていきます
検索


産経新聞コラム 怖さを克服するために
海の向こうで戦争が始まりました。 砲弾や銃声が鳴り響くなかで暮らす人々の不安と恐怖を思うと、胸が痛みます。私もアメリカ留学中に近所での銃撃事件を体験しました。静まり返った深夜の街に、乾いた発砲音と人の怒号が響き渡ったときのことを、今でも鮮明に覚えています。夜の空気が一瞬で張り詰め、緊張した夜を過ごしたことを忘れることができません。 脳には、記憶をつかさどる「海馬」という場所があります。そのすぐそばには「扁桃体」と呼ばれる構造があり、危険を察知する役割を担っています。身の危険を感じると、この扁桃体から神経伝達物質が放出され、体全体に警告が送られます。不安や恐怖の感情が高まり、心拍数が上がり、いつでも回避行動がとれるよう体が緊急体制を整えます。この仕組みは、哺乳類にとって生き延びるための重要な機能です。暗がりの気配、怪しい物音、かすかな匂い。危険の兆しを感じれば、神経を研ぎ澄まし、防御の態勢に入ります。とりわけ恐怖を伴う体験は、海馬を通して脳に強く刻み込まれるといわれています。 このような恐怖が長く続くと、心の均衡は保ちにくくなります。嫌でもこの恐怖
3月29日


しばらくぶりで
気がつけば最後の投稿からだいぶ時間が経ってしまいました。 コロナ渦で外出を控えた巣ごもりのなかで、高次機能の会とのzoomでのやりとりから始めたのがこのサイトでした。 時が過ぎ、気がついたら元通りの慌ただしい生活のなかで、あの頃の想いはとうに忘れてしまい、ゆっくりデスクの前に座る時間も減ってしまいました。 人が前に進むのは希望ではなく意志、人が歩みを止めるのは絶望ではなくあきらめ 20年以上前の「ARMS」という漫画のなかの一節が頭のなかに残っています。 紐解いてみると、前半はニーチェ、後半はサルトルの思想が反映されていることを後に知りました。 ニーチェは一貫して 人を動かすのは希望ではなく「意志(will)」だ という立場をとります。 He who has a why to live can bear almost any how. (生きる理由を持つ者は、ほとんどどんな生き方にも耐えられる。) 希望 外の世界にゆだねるもの 意志 自らが引き受けるもの この二つの対比です。 サルトルの説く実存主義では、人は常に「選択している」 そして行動し
2月8日


産経新聞コラム④ 感覚障害 ヘルニア
私は首と腰に椎間板ヘルニアをもっています。たぶん学生時代にやっていたアメリカンフットボールかラグビーが影響しているはず。この椎間板ヘルニアでは“感覚障害“に苦しめられます。 人間は二足歩行になり、丸く重たい頭をS字に曲がった背骨で支えるようになりました。背骨の首部分では前...
2025年4月4日


膠芽腫の方から教わった’恩送り’という言葉 pay it forward
その名前がでているならば、無条件に作品を観てしまう俳優が ケビン・スペーシー です。 この映画をたまたま観たのも彼が演じているからでした。 この映画は実話に基づいています。ひとりの小さな行動が少しずつ人を動かしていくストーリーです。エンディングでの光の連なりは、感動とともに...
2025年1月17日


グリオーマに罹患した女性の妊娠と出産
グリオーマ グレード2・3の好発年齢は20歳~50歳です。女性の場合、出産適齢期の方々も含まれます。治療により20年以上の生存も期待できる病気ですが、放射線や抗がん剤が使われることから、妊娠と出産をどう考えるかは大きな問題となります。...
2024年9月2日


産経新聞コラム③ −高次脳機能障害−
みなさまにとっては聞きなれない病名かもしれません。 ただし、脳の病気の後には少なからずこの状態を経過することが多いものです。 高い次元の脳の働きが障害を受けること、正確には脳の損傷が理由で認知・物事を見たり聞いたりして、それが何で、どうすればよいかを判断・解釈する能力が障害...
2024年5月3日


がんの脳転移の治療 手術とZAP-Xと
大事なこと がんの脳転移に対する治療と成績は大きく変わりつつあります。 かつては、なるべく切らずに定位放射線とステロイドを使う治療が行われてきました。 変わったことは、抗がん剤以外に分子標的薬や免疫阻害薬が使われはじめ、治療成績が大きく向上したことです。...
2024年5月3日


産経新聞コラム② 運動障害
脳の病気の代表ともいえる脳卒中。特に体が麻痺して動かせなくなる症状が運動障害です。脳が原因での運動障害は体のどちらか半分だけに症状が出るのが特徴です。 脳からの指令が届かなくなると、力が入らない“麻痺”となってしまいます。筋肉の力が弱くなり、手足の動きを制御することが困難に...
2024年3月1日


グリオーマに関するよくある質問
グリオーマとは脳のがんなのですか? 患者さんとの相談のなかでよく質問されます。 グレード1なら脳腫瘍が原因で生存が脅かされることはありません。よって「良性」と考えても良い腫瘍です。 グレード2の場合、組織の診断、遺伝子(IDH1、1番19番染色体の欠失)のタイプにより3通り...
2024年2月15日


産経新聞コラム① 自己紹介
月に一度、産経新聞のコラムを担当することになりました。 4月の第一回の記事は自己紹介です。 新型コロナは私たちの生活に変化をもたらしました。外に出る機会や人と顔を見て話す機会が減り、狭い限られた空間での生活は、高齢の方の認知症予備軍を増やしました。子供達の情緒不安定を引き起...
2023年7月6日


こんな私は病院嫌い
私は病院が嫌いです。 一番の理由は注射が苦手。 点滴されていると、オムツをされると動けなくなるうちの犬と同じになってしまう。 それとなぜだか白衣が苦手。 きっと、幼児体験で出会った医者から植えられた記憶は、人間の本能に直結する匂いととも拒否シグナルを出しているのだと思う。...
2023年6月23日


グリオーマといわれたとき
-手術の前に考えたいこと- 今回は脳腫瘍に関する話題です。 患者さんたちと時々話題になるのが、手術の前の不安な時期のことです。 最初の診断の時にどのような説明を受けたか、ネットでどのような情報を入手したのかで、大きく変わってきます。ある日を境に、大きな決断をしなければならな...
2023年4月16日


智に働けば ‐アバターIIを観て‐
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい。 夏目漱石の草枕の書き出しの有名な一説です。 このあとに続く文章はご存知ですか? 「住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、...
2023年2月8日


2023年のはじまり
年が明けて、はや1ヶ月が過ぎようとしています。 コロナによる生活制限がはじまり3年が過ぎました。ワクチン接種やマスク着用、会食制限など、多くの制約の中で、日々の生活も大きく変化してきています。 医療者同士の情報交換や海外のデータを紐解きながら、その時期に応じて外来診療の中で...
2023年1月26日


膠芽腫による高次脳機能障害の回復
最近、膠芽腫の診断をうけられた方のセカンドオピニオンをうける機会が増えました。 膠芽腫は治療がむずかしい脳腫瘍です。 5年生存率も10%を超えず、さまざまな新しい治療が臨床試験として試される対象となる病気のひとつです。 とはいうものの、...
2022年10月17日


がんにまつわるお話し 9月27日 市民講座のご案内
暑かった夏が終わり、穏やかな秋に向かう気配がします。 週末ごとに台風が来るのは閉口しますが、ゆっくりと家で過ごす休日も またいいものですね。 今日は、今週行われる市民講座のお知らせです。 隅田区が主催する がん対策アクション&ピンクリボン in すみだ...
2022年9月26日


キューバの路地裏
キューバと言えば街を走るアメリカのクラシックカーで有名です。しかし、敢えて選んだのはなにげない街角です。ハバナの街を歩くと元気な子供たちとたくさんすれ違います。キューバの湿度と熱気、街ですれ違う元気そうな子供たちが写る、私の好きなキューバの一枚です。...
2022年7月15日


ゲバラを知っていますか?
本名はエルネスト・ゲバラ。親しみを込めてチェ・ゲバラと呼ばれています。私の世代では、チェ・ゲバラといえばカストロとともにキューバ建国の士としてよく知られています。革命家として知られるゲバラですが、自身も喘息を患いながら国民のすべてが無償で受けられる医療の普及を目指した医師で...
2022年7月1日


あたらしい治療装置 ZAP
2022年5月の段階で日本で第一号機、世界でもまだ10台しか稼働していない最新の治療装置です。 がんや脳腫瘍に対して新しい治療装置が次々に開発されています。 治らない病気といわれていた′がん′ですが、新しい薬の開発や放射線装置の改良で、がんと共に長く、より良く生きることがで...
2022年6月23日


市民セミナー
『がんでも動揺しない社会を切り拓く医療の進歩』 学会合同の市民講座に出席しました。 テーマは ’がん’ です。 あたらしい技術や機器の進歩、治療に使うくすりの改良 着実に医療は進歩し、治療成績も改善されてきています。 標準治療やガイドラインが整備され、医療の平均点はあがりま...
2022年6月13日
bottom of page