さまざまな脳腫瘍について紹介します
脳腫瘍は稀少疾患とも呼ばれ、頻度は多くありません。グリオーマ、がん脳転移を主に紹介します。
がんからの脳転移とはどういうことか
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体にできたがんの細胞が、元の場所を離れて脳に移動して起こります。
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脳転移の起こりやすさはがんのタイプによって異なります。とはいえ、すべてのがんは脳転移を起こす可能性があります。
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早期発見、早期治療を行うことで、脳転移で命をなくす可能性は大きく改善されています。
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検査の基本はMRIです。 多くの場合は一度脳転移がみつかると3ヶ月に一度の頻度で脳のMRI検査を行います。
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サイズが小さければ手術ではなく定位放射線治療という一回の放射線照射で治療が済みます。
脳の検査は造影剤を用いたMRIが有効です。がんの種類にもよりますが、脳外科を受診し脳のMRIによる検査を受けることをお薦めします。
がん脳転移にまつわる基本の知識
【発生率】
・がん脳転移は年間で約10万人に発生します。がんの発生率は年間約100万人と言われています。(2018年がん統計より)
・がんの種類によって異なりますが、がんの脳転移の発生率は10人に一人の割合(9.6%)との調査結果があります。
・がんで亡くなった方を調べると2~4割の患者さんに脳転移が見つかっています。
・がんの脳転移が原因で亡くなる方は全体の2~3割といわれています。
・がんの脳転移を起こした患者さんの年齢分布では50歳~80歳までが好発年齢でした。
どんな症状に気を付けたらいいでしょう?
・無症状や軽度の頭痛で検査にて見つかる割合は38%でした。
・朝方に頭痛が多いのも特徴です。
・最も頻度が高いのが48%を占める巣症状(腫瘍の場所に応じた症状で、麻痺、しびれ、視覚の異常など)でした。
・2割(21,7%)の方は頭痛や嘔気で発見されています。
・てんかん発作は約20%程度に起こります。
・大きな腫瘍や、脳のなかの循環を障害すると脳の圧力が高まり頭痛を主とする頭蓋内圧亢進症状が起こります。頻度としては7,7%と、そう多くはありません。
・治療期間中にてんけん発作を起こす割合は約2割程度と言われています。