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  • 執筆者の写真takashi maruyama

膠芽腫による高次脳機能障害の回復





最近、膠芽腫の診断をうけられた方のセカンドオピニオンをうける機会が増えました。


膠芽腫は治療がむずかしい脳腫瘍です。

5年生存率も10%を超えず、さまざまな新しい治療が臨床試験として試される対象となる病気のひとつです。


とはいうものの、

5年といわず10年を超えて元気で生活されている患者さんもおられます。

患者さんの年齢やいくつかの条件が整うと、5年生存率は明らかに改善します。


例えば、この患者さん

左優位半球に多発する膠芽腫です。手術の前には、右半身麻痺の車いす、言葉がしゃべれない失語症状が進行していました。


摘出して、後の治療を行い7年たちますが、再発なく経過されています。話ができなかった失語症状は3年目ごろから改善し、今では簡単な会話はできます。日記もつけられるようになりました。 家の中では杖での歩行ができるまで麻痺も改善しています。改善の見込みはないと予想していたのですが、3年ぐらいしてからみるみるうちに改善が始まりました。

手術が2015年ですので、かれこれ7年再発なく暮らされています。



患者さんからの相談の時に、私の患者さんで膠芽腫でありながら5年以上元気でおられる患者さんたちの画像を使わせてもらっています。必要なことは、同じ病気を克服されて元気に過ごされている方々の背中です。そして、webのなかでは道標はなかなかみつかりません。


治療を行うときに、「次に10年元気で過ごす患者さんが誰なのかは予想がつきません。だからその一人になるように一緒にがんばりましょう」とお話しします。


膠芽腫といえども、まだまだすべてが解明されたわけではありません。そして、そんな長いお付き合いの患者さんが今日も外来に来てくれていますから。


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沖縄の海の埠頭の画です。

1985年「セントエレモスファイヤー(St. Elmo's Fire)」という青春映画がありました。船乗りの守護聖人である聖エルモ(エラスムス)はイタリアに向かう船に乗船中、嵐に見舞われ、船は転覆の危険にさらされます。聖人が熱心に神に祈ると、嵐はおさまります。そしてその時に帆柱の先端に青い炎が踊り出したことからついたものだそうです。映画の中ではデビッドフォスターの名曲が随所にちりばめられています。たぶん、一度は耳にしたことのある美しいメロディーのはずですよ。

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