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  • 執筆者の写真takashi maruyama

グリオーマに罹患した女性の妊娠と出産



グリオーマ グレード2・3の好発年齢は20歳~50歳です。女性の場合、出産適齢期の方々も含まれます。治療により20年以上の生存も期待できる病気ですが、放射線や抗がん剤が使われることから、妊娠と出産をどう考えるかは大きな問題となります。


かつて、私たちチームで手術したグレード2・3 初発グリオーマ400余名(12年間)の調査を行いました。出産適齢期の女性の未経産婦71名で、抗がん剤治療を受けた方と受けていない方での出生率を比較しました。


結果は、放射線化学療法を受けた女性でも人口統計と同じ妊娠出産ができたことがわかりました。


適齢期の女性の治療を場合、治療の目標を、一生を通じてこの腫瘍と上手に付き合っていくことと、自分の目指したい将来設計を病気であきらめないこと、と設定することから始めます。


誰も予想できない未来です。その方の予測される診断、治療によって広がる可能性、治療の選択により狭くなってしまうことは何か、これらを腹を割って相談します。時には脳腫瘍の治療を開始するまえに、卵子や受精卵の凍結保存を行っておくこともあります。


リスクばかりを考えすぎてもいけません。かと言って楽観的でもいけません。予測される確率と私たちの経験値を基にじっくり相談し、冷静にご自身の未来をご自身の意思で選んでいただきます。


もちろん難しい選択の場合もあります。迷うだけ迷い、考えるだけ考えて、自分で答えを見つけたら、その後は迷わず自分の選択した道を突き進みましょう。そしたら、後に後悔しそうになったとしても、その時の自分が考えに考えて選んだ結論だ、としておとせるはずです。


もちろん、意志決定のための説明は十分に行いますので。

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